鹿児島の有機農業を実践するそーやんさんのストーリーを紹介します。そーやんさんは、30年以上続く家業の有機農業を手伝いながら、自然農法の重要性を理解し、日々の活動を通じて自然との共生を実現しています。彼は自然農法の理念を広めるため、コラムやYouTubeを通じて知識を共有し、地域の農家との関係を築いています。この文章では、彼の取り組みや、自然農法の基本、メリット・デメリット、さらには鹿児島特有の方言についても触れながら、そーやんさんのユニークな農業哲学を探求していきます。
畑は小さな大草原そーやん:鹿児島
鹿児島の実家は30年以上続く有機農業をしていました。子供の頃は親が農家だということが恥ずかしく農家を継ぐ気もなかったのですが、ドイツの大学に留学して有機農学を勉強し興味が湧いたようでした。自然も好きなのと、子供が生まれたときに自然の中がいいという事で、九州大学大学院を卒業して一旦鹿児島県の実家に戻り有機農業を手伝います。
そこで自然農というものをしり、福岡の糸島の自然農の研修にいき、有機農業との違いに驚きます。虫だらけに雑草だらけ、自然が好きなそーやんさんはその自然農法が自分にあっていると知りました。前年に屋久島にも行ったこともあり、自然の力も感じたそうです。鹿児島に戻り農業をするのですが、自然農法だと新しいものなので、就労者給付金が降りず、2012年有機農業と合わせてやることになりました。有機農業に対する未来が見えずに限界を感じて3年目で病んでしまい、そこから一念発起。野菜を売らない農業を始めたのです。
自然農法の大切さを教えるために、2018年からコラムを書いたり2020年からYouTubeを始めたり、ZOOMで自然農法の説明をしたり体験農業をしたり、様々な活動をしています。YouTubeを始めた動悸はコロナ禍の中で子供さんが病気になり、人と合わずに仕事をしないといけない環境になった為もあるのだとYouTubeライブで話されていました。YouTubeではライブをすることが多く、実際生身の声が聞けることが嬉しいそうです。
畑は小さな大自然 そーやん:マイナビ農業
2017年マイナビが農業を発展させるために作ったサイトで、農業をする人のために農業の知識や、メリットデメリット求人まで、農業に関するすべてのものが凝縮された場所です。そーやんさんはマイナビ農業で2018年から2024年現在までコラムを書かれています。そーやんさんの記事を見て自然農を始めた方も多いです。YouTubeにあげてない情報もコラムに乗っていたりします。
畑は小さな大自然 そーやん:自然農法 ダンゴムシ。
まず自然農法とはなにか。ちゃんとした基準はないものの、自然の力を尊重して農作物を育てる。土を耕さずに、雑草は取らないのが大まかな基本となっています。そして虫との共存も必要になってきます。特にダンゴムシは実はカニ、エビの仲間で、実は落ち葉や枯れ草、害虫を食べてくれ、ミミズや土壌生物と一緒に土壌を作ってくれます。
見た目は苦手な人でも排除すると余計害のある他の虫が増えてしまうのです。ですからとても必要な生き物なのです。共存することで土も有機物から無機物へと分解します。特に腐葉土や枯れ草を敷いているとダンゴムシが栄養のあるフカフカな土にしてくれます。ただ、ダンゴムシは野菜の葉っぱも食べてしまうので、うまくどう共存していくのかが難しい所のようです。
増殖しないように管理できる位の敷地がいいそうです。ダンゴムシのように、人に利益があるように自然に働いてくれる虫を益虫といいます。益虫の例としては、ダンゴムシの他にはミツバチ、カイコ等がわかりやすい例です。ダンゴムシの事はそーやんさんがマイナビ農業でコラムとして載せています。
畑は小さな大自然 そーやん:自然農 雑草
今までの農家だと、雑草は全部抜くものだと教わり、昔からの農家の方々は未だに除草をして農作物を育てています。自然農法は、必要な雑草を残し、土の肥料として使う手法です。雑草特にイネ科等土から栄養を吸う力が強く根のハリが強い。根っこから引っこ抜かずに、土からすぐ下くらいの成長点から刈ります。下の根っこを残すことで、根で土を耕してくれます。
光合成で炭水化物を排出し、微生物を周りに集めて住みやすい環境にしてくれます。微生物の餌になり養分になりとどまり続けてくれて、土の水はけも良くなって行くのです。基本は抜いた雑草を土の上に敷きます。夏はどうしても土が乾燥してしまいます。露草などがあったほうが土も乾燥しにくいので、草を刈らずにそのままにしていく選択肢もあります。
畑は小さな大自然 そーやん:畑 米ぬか 散布
自然農法で畑を作るのには、雑草を刈って敷いて土作り、土にはかなりの保湿ができます。草を敷くことで土を守り、分解され土のもとになります。そこで栄養素が必要になりますが、雑草だけではリンが致命的に足りないのです。そこで米ぬかが必要になってきます。
米ぬかにはリンが沢山あり、特に夏野菜を育てるときにはリンが必要となってきます。雑草と米ぬか相性が抜群なのです。米ぬかを上げる時の注意点として、葉っぱや根本にかけるのはだめ。固まってしまってもだめ。植物に直接触れると病気の発生にも繋がります。離れている所から、根っこの端っこくらいにパラパラっとあげるのです。2、3週間に1回でいいです。
畑は小さな大自然 そーやん:茅農法
茅(カヤ)とは、ススキやイネヨシなどの事です。茅農法は茅を肥料として使うことで、昔行っていた手法です。最近環境問題の中で、茅農法に注目が集まっているといいます。まず、以前はやっている農家さんが少なかったために知識もなく、そーやんさんも違う県まで研修に行き学びました。そーやんさんはコラムで茅で土を作る手法を説明しており、細かく指導もされています。その方法として雑草でも取り上げた草の刈りかたが大切になってきます。刈られて土になっていく事でどんどん豊富な有機物が土に補強され強くなっていきます。
畑は小さな大自然 そーやん:自然農法でのデメリット
・農家を長くやっているような年配の方に理解してもらえない事。(雑草を抜かないのが理解されにくい)
・自分の手で管理しなくてはならず、広いところではできない
・生態系が豊かになるので虫が増えること。
・細々した草刈りが大変
・お金にならない自然農が広まっても大量生産ができない状態なので農家としてやっていけない。遊びとして捉えられてしまう。
なかなか自然農法がどんどん広がっている中でも農家のやり方とは全く違うため、農家の人達との人間関係にそーやんさんもかなり気を使っているようです。
それでもそーやんさんや自然農法をやられている方は年々多くなってきました。
畑は小さな大自然 そーやん:そーやん方言
そーやんさんは地元鹿児島出身ですが、周りの方々は方言を使われていましたが、動画を見ると標準語で話されています。体験農園をされたり、YouTubeをされることから、意識して標準語で話していると思います。そーやんさんの本名は橋口創也さんなので、名前からそーやんになったのでしょう。
そーやんという方言は、鹿児島特有の方言ではありませんでした。